ドイツには1500以上の醸造所があると言われています。少し大きいレストランに行けば、そこで作られているオリジナルのビールが提供されていることも少なくありません。
どこかへお出かけをするのに車を運転し、レストランを発見すれば、そこにはビールを作るための設備も同時に見ることができるでしょう。それくらい多くの場所でビールが作られています。
ちなみに、私がドイツで飲んだビールのごくごく一部がこちら。ドイツビールだけではなく、キルケニーやギネスなどのアイルランドビールやポーランド、チェコなどのビールもあります。
ドイツビールはどんな味?
ドイツビールといえばどのブランドを想像するでしょうか。また、どのような味を想像するでしょうか。
日本で普及している有名なドイツビールといえばレーベンブロイでしょうか。これは日本の多くのビールと同様にピルスナー系のビールです。味は違いますが、ジャンルは同じであるため味が大きく異なることはありません。ちなみに、ドイツでレーベンブロイを試してみたら味が違うように感じました。香りが日本で買うものよりもよく、さわやかなホップの香りを感じました。
一方で、ドイツビールのお店を訪問した際にはきっと、バナナのような甘い香りのしたビールを注文することでしょう。いわゆる、Weizenbier(ヴァイツェンビア)もしくはWeißbier(ヴァイスビア)といわれるタイプのビールになります。日本語でWeizenは小麦、Weißは白という意味です。ちなみに、ßという文字が使用できない場合は「ss」と表記され、「Weiss」となります。
ヴァイツェンビアはドイツ中どこでも飲めるのか
ドイツにくれば、どこでも色々なタイプのヴァイツェンビアが飲めるというわけではありません。札幌ではサッポロビール、沖縄ではオリオンビールのように、ドイツでももちろん地域によって様々なビールがあります。1500以上も醸造所があるので、それは容易に想像できるでしょう。
もしも、ドイツに旅行して色々なヴァイツェンビールを飲みたいという方は、南ドイツを中心に計画を立てるとよいでしょう。というのも、このタイプのビールは南ドイツのものだからです。本当に様々な種類の、そして様々なご当地ビールが存在します。
ヴァイツェンビアのおすすめ
Franziskaner Premium Weissbier
ドイツで購入できるビールを100種類以上飲んだ筆者のオススメは、結局王道のFranziskanerです。PREMIUM WEISSBIER(プレミアムヴァイスビア)は重厚な口当たりと、ほんのりとした甘い香りが特徴です。日本のドイツビールを出しているお店は、これを仕入れているのではないか?と思っています。
Fransziskaner Leicht
もう少し軽いものを飲みたい場合は、FranziskanerのLeichtをオススメします。Leichtは簡単とか軽いなどの意味を持ち、アルコール度数も2.9%と低いです。軽い口当たりですが、ヴァイツェンビアのあの甘い香りも残っており、日本ののど越しを重視するようなビールが苦手な方でもスッキリと美味しく飲めることでしょう。
Fransziskaner アルコールフリー
ちなみに、ドイツには多くのアルコールフリーのビールが存在します。普通のビールを飲むので10種類程度しか飲んだことはありませんが、これが一番うまいと思います。ドイツでは普通にビールを作ったのちに、アルコールをとばして作っているらしいです。そのため、0.1%未満のアルコールが入っているアルコールフリーのビールが多いです。一切入っていない場合は、0.0%と表記されてます。日本よりも多くの種類のアルコールフリービールがあるので、運転する場合でもビールの味を楽しめます。
Fransziskaner Royal
それにより一層の濃厚な味わいが欲しい場合は、さらにROYALもあります。光の当たり具合が上記のアルコールフリービールと同じような感じで、少しわかりにくいのですが、こちらはより色が濃いです。それに伴って味も濃く、より甘味を感じます。個人的には甘味が強すぎて飽きます。
Allgäuer Büble Edel Weissbier
その他、私が一押しのヴァイツェンビアといえばAllgäuer Büble BierのEdel Weissbierです。これはアルゴイというバイエルン州にある小さな地域で作られているビールです。日本では見かけないタイプの瓶です。オープナーがなくても、簡単に開けることができます。このビールは香りの良さはもちろん、バナナのような甘い味。しかし、その甘さは口の中がくどくなるようなものではありません。不思議と、さっぱりとしたバナナのような甘味と香りが楽しめて、口当たりのバランスがよくて大好きなのです。
ヴァイツェンビア以外はどうなの?
ヴァイツェンビアの主流は南ドイツ。では一方で北ドイツではどのようなビールが多いのでしょうか。私が旅行した感じですと、北ドイツの方では割とサッパリした口当たりのビールが多い印象です。
例えば、ケルン大聖堂があるケルンではケルシュというビールが有名です。その近辺のレストランに入ってビールを注文するならばケルシュでしょう。150mlだか200ml程度の小さなグラスに注がれます。店員さんは大量のグラスを運び、ビールがなくなるとすぐに交換できる対応になっています。私が入ったレストランでは、何杯飲んだかわかるようにコースターにチェックを入れてくれました。
ドイツに駐在する日本人が多く住むデュッセルドルフでは、アルトビアが有名です。こちらは少し暗い赤という、独特な色をしています。ほんのりとした苦味がありますが、基本的にはさっぱりとしたビールです。日本のビールが苦手な方でも、もしかしたら飲めるかもしれません。
ヴァイツェンビア以外のおすすめ
Warsteiner
デュッセルドルフから少し東へ向かうとWarsteinという場所があります。ここではWarsteinerという、有名なピルスナーが作られています。ドイツならどこでも買えるでしょう。ベルリンのステーキレストランでベルリンのビールのおすすめを聞いてみたら、なぜかベルリンビールではなくWarsteinerが最高さ、と言われました。透き通った鮮やかな色と、香り高いモルトとホップの香りが特徴です。
Allgäuer Hell
ノイシュバンシュタイン城があることで有名なAllgäue(アルゴイ)という地域にきた際には、ヴァイツェンビアをメインに楽しんでいただくのが良いと思いますが、それに飽きた場合のビールも紹介します。アルゴイの名前が付けられたAllgäuer Hellは苦味が少なくさっぱりとした味わいです。のど越しさっぱり、スッキリ。軽やかな口当たりで、ヴァイツェンビアの重厚な口当たりに飽きた、お腹へヴァイツェンビアがたまってしまって飲みにくい、と感じた方にはオススメです。
König Ludwig Dunkel
黒ビールを楽しみたい方はこちら。私は黒ビールよりも、他の種類のビール、ヴァイツェン、IPA、ピルスナーを飲むことが多いのですが、黒ビールであればこちらがオススメ。König LudwigのDunkelビールです。訳すなら「ルードヴィヒ王の黒ビール」でしょうか。これは、黒ビール特有の香ばしさが強く出ています。アルコールの臭さもなく、ヴァイツェンよりはお腹にたまらず、飲みやすいビールです。
Jever
日本人に聞くと、多くの方が重たいヴァイツェンビアに飽きてピルスナー系を飲むようになったと聞きます。ドイツには割と軽めのビールが多い印象で、そんなのでは満足しないよ!という方にはJEVERはバッチリでしょう。日本のビールでよく聞く「喉越し」は最高ランクでしょう。苦味がかなりガツンときて、炭酸もかなり強い印象を持ちます。力強いピルスナーを求めている方におすすめです。
まとめ
個人的にはやはり、ヴァイツェンビアが好きです。お腹にたまるため、ドイツに長く住んでいる日本人の多くは最初はヴァイツェンビアを飲んでいても、ピルスナーなどのビールに戻る方が多い印象です。日本のよりもはるかに多くの種類のビールがあり、ピルスナーだけでなく、IPA、ヴァイツェン、黒ビール、ラドラー・・・などなど気分によって味わいがまったく異なるビールを選べるのは、ドイツの魅力のひとつです。
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