スーパーマーケットから見るドイツの働き方

ドイツ

ドイツは生産性が高いと言われています。その生産性の高さは日本の1.5倍とか言われているらしい。2018年からドイツに住んでいる身としては、個人の能力が高いとかではないな、というのが率直な感想。

では、なぜ日本よりもそんなに高いのかをドイツのスーパーマーケットから考えてみようかな、と。

スーパーマーケットの品物はあまりチェックされていない

当然そのお店によるとは思うけど、カビの生えている野菜が売られていることもある。木箱に入ったプレミアムなイチゴ、その下にはカビがしっかりとついていたのも見たことがある。3個いりのパプリカ、2個は大丈夫だけど1つはカビ。

10個いりの卵のうち1,2個割れてる。外側のパッケージが透明ではなく、リサイクル紙で作られたパックになっていて、中を開けないと状態の確認ができない。そして、開けたとしても、上部だけを見ても不十分で、パックの裏側を見て塗れていないことを確認する必要があります。なぜなら、下だけが割れていることもあるためです。

こういうことは普通にあるので、消費者側がものをしっかりと選んで購入することが必要になってきます。日本にいるときは、そこまでチェックしなかったし、必要ないと思ってました。なぜかって、一度もそういうことを経験したことがないから。

ですが、ドイツで何度かカビつき商品を購入してしまってからは、慎重に選ぶようになりました。賞味期限が切れているものが置かれているケースもあります。

ヨーグルトも一度カビており、そこの店のヨーグルトは買わなくなりました。ちなみに、写真付きでその製造会社だったか販売会社にメールをしたところ、返金として2ユーロと、お詫びとしてその会社のトートバッグみたいなものが送られてきました。とってもいらないけど一つの経験。

カビつきの商品をおいていない、かつ品質の良いお店を選ぶことが大事です。

ドイツの野菜は不揃い

日本では一般的に、スーパーに売られている野菜の色や形、大きさはほぼ同じ。形が不揃いだと文句を言う人がいるのでしょう。そして、不揃いのものはきっと購入されにくいのだろう、と想像ができます。

少なくとも、消費者にそういう人がいるし、クレームを避けるためにスーパーでは不揃いのものはしないようになっているのでしょう。

ドイツではそういうこともなく、形も大きさもマチマチ。じゃがいもは一つのネットに2Kgとか5Kgとか入って売られています。直径4cmくらいの小さいものが、10cmくらいの大きいじゃがいもと一緒のネットに入っていることもあります。

ようするに、色や形によって出荷の可否を決めているわけではないことが伺えます。収穫できた野菜のほぼ全てをスーパーに置くことができている、ということでしょう。

野菜も牛乳も箱ごと置く

私が知っているお店では全て、野菜は箱に入っています。プラスチックで出来た箱で、店頭の品物が少なくなったらその箱を持ってきておくだけで良さそうです。冷蔵庫に入っている野菜もありますが、数は少ないです。

牛乳は12個入ったケースがいくつも置かれています。10ケースとかをまとめて運んで置くだけ。牛乳は中がコーティングされている紙パックのため、常温保存が可能になってます。そのため、ひとつひとつ冷蔵庫に入れる必要がありません。

もちろん、冷蔵庫にも牛乳はあります。すぐに飲みたい人もいるでしょうから。

日本では野菜はひとつひとつ並べられていたように記憶しています。これだと、対象エリアにいって並べる手間が発生するため非効率です。また、牛乳も冷蔵庫にしか売っていないので、結構な手間になります。

消費者がものを購入する商品をチェックして選ぶ

これを見ると、出荷者や品だしをする人が、品物を1つ1つチェックして出す、ということをしないのだろうな、と推測できます。商品チェックはお客さんにしてもらうことによって、チェック時間を大きく減らせるため、コストを大幅に削減できそうです。

消費者側がやれることは、消費者にまかせることでコストを削減しようというお店がまあまああるということですね。

ちなみに、一度もカビのついた商品を見たことない、品質の良いお店は全体の商品の値段が10~20セント高いです。しっかりと管理している分、コストを商品にのせているわけですね。

どっちを選ぶかは消費者次第。

レジに列が出来ていても次のレジを開けない

こちらではよく見る光景です。1つのレジしか開いておらず、列ができていても次のレジを開けないこともあります。店によっては次のレジを開けるところもありますが、フル稼働になることは少ないです。

人が並んでるなー・・・という状況を見て品だしとか、自分の仕事をしている店員さん。

お客さんは待てばよいのです。そこの回転を早くしても、売り上げが一気に上がることはない、ということでしょう。待っていればいずれレジが使えるのだから待てばよい、と。

そこに時間を使うよりも、品だし等の別の作業をすることで、その日にすべき仕事をしっかりと終わらせる。

利益になる優先順位を考えて動いている、ということなのか、単純にやりたくないからやらないのかは不明ですが。

野菜はすぐにヘナヘナになる

生産性とは関係ないですが、書きたかったので書きます。

これはしっかりと比較できるものではなく、ただの印象ですが、日本で生活していた頃よりもすぐにヘナヘナになるような気がします。

日本は農薬使用量トップ3に入る。中国・韓国・日本がトップ3。現在の順位はわかりませんが、大量に農薬が使われて育っている野菜であることは間違いなし。

EU諸国では農薬使用量が日本と比較して段違いに少ないので、自然な形で野菜が悪くなっていくように思います。にんじんは、黒くなってヘナヘナに。皮のシャキっとした部分が柔らかく。

そのため、どうやって保管するかを考えておかないと、食べる前に悪くなっておいしくない、ということもしばしば。

まとめ

個人個人の利便性よりも、全体構造を考えてどのように効率化するのか、というのが考えられている気がしました。

収穫された野菜がほぼ全て並んでいる気がするので、これは日本よりも良いなと感じます。

売れなかった野菜等は廃棄するしかないと思いますが、少し悪くなったくらいでまだ食べれるものは、無料配給センターみたいなところに送っている企業もあります。お金が十分にない人たちの手元に食料が届く仕組みがある、ということですね。

Deutsch WelleのDEUTSCHLANDLABORで紹介されていたので、ドイツ語学習している方は是非見てみるとよいと思います。

https://www.dw.com/de/12-geld/l-18870522

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