ドイツでのプログラマの働き方は日本より楽だった

残業が少なく、生産性が高いと言われるドイツ。生産性が高いということは、日本よりもうまく仕事を回せている、ということなのでしょうか?

ちなみに、生産性という観点で、スーパーマーケットを見て感じたのはこちら。

スーパーマーケットから見るドイツの働き方
ドイツは生産性が高いと言われています。その生産性の高さは日本の1.5倍とか言われているらしい。2018年からドイツに住んでいる身としては、個人の能力が高いとかではないな、というのが率直な感想。 では、なぜ日本よりもそんなに高いのかをドイツの...

この記事では、プログラマの働き方に焦点をあてます。

ドイツ移住後のライフスタイル

私は2018年にドイツに来てからずっと、プログラマとして働いています。まずは日本にいた頃のライフスタイルは8時前に起床し、9時から仕事を開始。だいたい19時前後まで働いて帰宅。たまに21時とか22時とか。

ドイツに来てからはサイクルはもっと早いです。起きる時間は体調によりけりで、4時~5時半に起きて、ブログ記事を書いたりプログラミングをしています。

会社は家から徒歩で20分ちょい。7時から仕事をはじめ、16時くらいに終業します。

冬のシーズンになると、日が昇っている時間が短く、出勤する時間には何とも綺麗な星空が見えます。オリオン座もバッチリ。

私の住んでいるところは田舎なので、山も星も綺麗に見えます。そのため、毎日自然を感じながら会社に向かうことができます。この綺麗な空気を吸って心身をリラックスさせた状態で1日を始められるので、最高です。

ドイツで残業はあるのか

以前、私のプロジェクトで作成したプロダクトをお客さんと一緒にテストをする機会がありました。お客さんといっても、そこもシステムを作っている会社です。我々の製品を組み合わせたときに動くかどうかの確認のためのテストです。

一週間前に自分達だけでテストをし、そこでいくつかバグを発見しました。それらのバグの修正に時間がかかってしまい、当日の朝までテストはできないような状態となっていましました。

そのため、テスト前日には7時から18時までバグの原因調査をしていました。ドイツでは、1日最大10時間までしか働いてはいけない、という縛りがあると聞きます。まあしかし、以前チームリーダーにちょろっと聞いてみたら、DeepLの翻訳画面を見せられ「原告なくして審判なし」、と。

ドイツ語は「Kein Richter ohne Kläger」と出てきました。

まあ、そのとおり。文句を言う人がいないのであれば問題にはならないでしょう。

ちなみにドイツに来てから、ほぼ残業時間は0です。15分20分が積み重なって〇時間というのはありますが、誤差みたいなもん。週末早く帰って調整します。

残業分を金曜日に調整する

お客様と一緒にテストをする日、私は朝の5時40分に出社して事前にテストを行いました。よっしゃ!(こっちの機能は)動いた!

お客様とのテストが終了した後、発見されたバグのリストを作成しみんなで解決方法を話し合いました。この時にすでに2時半になっており、勤務時間が既に8時間程になっていました。

もう8時間以上働いてるわ、とマネージャーに言ったら「You should go home now.」、と。もう帰るべきだ、と。この時はもうこれで帰りました。

そしてその時に同時に、次の日は半日にしたらどうだ?と提案もされました。もともとそのつもりだったので、次の日は7時に出社し13時ほどで帰宅しました。

今働いている会社は完全フレックス制で、好きな時間に来て好きな時間に帰ることができます。そのため、月曜日から木曜日まで少し長く働いて、金曜日に早く帰って、週末の休みを2.5日する、というような働き方が可能です。

ちなみに同僚から聞いた話しでは、残業時間が十分に溜まっている場合には、年末に有給として消化することが可能らしいです。ちなみに私はこの制度を利用したことはありませんが。

仕事時間中に医者にかかる

ドイツで病院に行く場合には、土日はやっていないことがほとんどです。そのため、平日に予約を取る必要があります。予約するのが普通なので、予約しないで行ったら帰されるか、予約してからまた来てね、と多分言われます。

平日にしかいけないということはつまり、仕事を中抜けしていく必要があります。どうしたって仕事を中断しなければいけないため、そしてこれがドイツでは普通であるため、仕事を途中で中抜けしても特に不満を言われることはありません。

病気を治すのが第一。集中して高いパフォーマンスを発揮するためには完全なコンディションが必要です。

なお風邪を引いた場合や、熱を出して仕事ができないようなケースにおいては、病気休暇を取ることができます。つまり有給を取らずとも休むことが可能です。

何日休めるのかは知りませんが、休んだぶんは保険から補填されるようです。

私は一日だけ病気休暇を取ったことがあります。歯医者で親知らずを抜いて、ドパドパ血が出たので仕事は休んで安静にしていなさい、と。

働く人にとっては、曜日にかかわらず病院に行くことができるので素晴らしい。

自分の仕事の役割

私はプログラマーとして働いていますが、日本にいたころは色々やっていました。お客さん対応、仕様作成、無駄そうな会議、プログラムの実装、他部署との調整など。

色々なことをしなくてはいけないので、まったくプログラムの作成が進みません。1時間集中できる時間があれば良い方でした。スイッチングコストがバカになりません。

集中モードに入ってすぐに声をかけられ、対応をする。元の仕事に戻って、集中状態に戻るまで20分程度かかると言われています。仕事が進まないのも無理はない。

ドイツに来てからは役割は1つだけ。プログラミング。今のプロジェクトではアジャイル開発で進めています。2週間を1サイクル(スプリントと呼ぶ)として、それが終わればこのスプリント成果をレビューしたり、仕事の中で良かったこと、悪かったこと、改善できることを話し合います。

また、次のスプリントでやることを話したり、仕様について話し合う場が設けられます。

そして、毎日15分の日次ミーティング。こういう会議を全部あわせると、1スプリント(2週間)の会議の合計は10.5時間。内訳はこんな感じ。

15 min (日次ミーティング) * 5
60 -120 min (仕様検討と見積り) * 2
60 min (開発者内の知識共有) * 2
120 min (スプリントチェンジオーバー) * 1

ですが、時間みっちりするわけでもないので、多分実際には5時間未満。

これらの時間を除いた時間が開発の仕事にあてられます。そのため、1日の9割は開発時間にあてられる、と言ってもおおげさではないでしょう。

そのため、とても早く開発が進みます。他のことを考えなくてよくなるので、当然仕事のスピードはがっつり上がります。

逆に言うと、脳を使う仕事であるため、疲れは早くきます。朝7時から仕事をしているので、午後2時くらいには頭は疲労してる気がします。

開発者内のやりとりはMicrosoft Teamsを使っており、チャットで情報交換します。そのため、メールはほぼなし。

仕事のメールはほとんどなく、むしろ領事館からのお知らせメールの方が多いです。

果物やコーヒーやお茶が無料

同じ会社でも他の場所だと少額のお金がかかるところもあるらしいのですが、私のいるところは完全無料。

果物はバナナ、アボカド、ぶどう、りんご、オレンジなど季節によって様々なものが支給されます。毎週1度、キッチンに沢山の果物が並びます。これらは無料。

そして、コーヒーマシンが2つ。1つはブラックコーヒーだけが入れれるもの。もう一つはエスプレッソ、ココア、カフェラテなどが飲めます。牛乳もあるので、ブラックコーヒーに牛乳を入れるだけ、の人も多いです。

また、20個入りで2ユーロ程度と、ドイツでは安くハーブティーが手に入るのですが、これも提供されています。

コップも会社のもので、食器洗浄機もついているので、飲み終わった後は洗う必要もありません。

素晴らしい。

まとめ

1つのことに集中できる環境が整っているので、仕事が早く進むと感じます。また、私の会社では果物や飲み物も無料なので、飲みたい時に飲みたいものを飲んでホッとできるもの良いですね。

一方で、開発時間が長いため疲れが早くくるので、いい具合に力をぬいて仕事をする必要があります。

8時間働いて、プライベートの時間で新しいことを学び、開発時間が多いので学んだことをすぐに仕事に適用できるところも嬉しいポイントです。技術の定着が早くなるため、プログラマとしては素晴らしい環境であると感じます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました